🧩 関数とスコープ
🎯 ブロックごとのスコープを理解し、変数がどこから見えるか判断できる
学校のクラスでしか通じないあだ名があります。教室の中では誰にでも通じるのに、一歩出ると誰も知らない。変数にもこれとまったく同じ性質があり、名前が通じる範囲のことをスコープと呼びます。
Cのスコープの単位はブロック、つまり { } です。ブロックの中で宣言した変数は、その } に到達した瞬間に消えます。
#include <stdio.h>
void sub(void)
{
int n = 100; // sub の中だけの n
printf("sub: %d\n", n);
}
int main(void)
{
int n = 1; // main の中だけの n
sub();
printf("main: %d\n", n); // 1(subの100とは無関係)
return 0;
}同じ n という名前でも、別の関数のものはまったく別の変数です。だから関数を作るときに「他の関数で使っている名前とぶつからないか」を心配する必要はありません。これが関数を安心して部品にできる理由のひとつです。
ブロックはもっと細かい
関数の中でも { } があればそこがスコープになります。for文の初期化部で宣言した変数も、ループの中だけの命です。
#include <stdio.h>
int main(void)
{
for (int i = 0; i < 3; i++) {
int sq = i * i;
printf("%d ", sq);
}
// printf("%d\n", i); ← エラー。iはもう存在しない
printf("\n");
return 0;
}i も sq もループを抜けた時点で消えています。ループの結果を後で使いたいなら、ループの外で宣言した変数に入れておく必要があります。合計を数える sum をループの中で宣言してしまい、毎回 0 に戻って合計が合わない——これは初学者が必ず一度は通る失敗です。「値を残したい変数は、ループより外」と覚えておきましょう。while文でも事情はまったく同じです。
同じ名前を隠す——シャドーイング
#include <stdio.h>
int main(void)
{
int x = 1;
{
int x = 99; // 外側のxを隠す
printf("%d\n", x); // 99
}
printf("%d\n", x); // 1(外側は無事)
return 0;
}内側のブロックで外側と同じ名前を宣言すると、その中では内側の x だけが見え、外側の x は隠れます。これをシャドーイングと呼びます。文法上は合法で、コンパイラも黙って通します。しかし読む人は「どちらの x か」を毎回考えることになり、書き換えたつもりが別の変数だった、という事故につながります。名前を変えるだけで防げるので、避けるのが賢明です。
なぜ範囲を区切るのか
もしすべての変数がどこからでも見えたら、100行のプログラムでも「この i は誰の i か」を常に気にしなければなりません。スコープは、考える範囲を機械的に狭めてくれる仕組みです。変数名を見つけたら、いちばん内側のブロックから外へ順に探す——コンパイラも人間も、同じ順番で名前を解決します。
罠・注意
sub の実行中も main の n は生きていて、ただ見えないだけです(寿命の話は次のトピック)。まとめ: スコープは { } 単位。狭く保つほど、名前の衝突も、うっかりの書き換えも起きなくなります。次のトピックでは、これとよく似て非なる「寿命」の話に進みます。
変数や関数がプログラムのどの範囲から見えて使えるかという範囲のこと。{}の中だけで通用する変数などが具体的な例として挙げられる。同じ名前の変数でも、スコープが違えば別々の実体として扱われる。
値を入れておくための名前付きの箱のこと。名前をつけることで中身を自由に出し入れできる、プログラムの記憶場所にあたる。変数名は自由に付けられるが、意味の分かる名前にすると読みやすいコードになる。
「初期化・条件・更新」の3つを1行にまとめて書ける繰り返し構文のこと。回数があらかじめ決まっている繰り返しにとくに向いている。繰り返す回数があらかじめはっきりしている場面で、とくに書きやすい構文。
条件が真である間、処理を繰り返す構文のこと。何回繰り返すかが実行前には分からない場合に向いた、シンプルな繰り返し構文。条件を書き間違えると、意図せず無限ループになってしまうことがある。
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